チンタオ・旧日本人中学校(中国青島の旅・55)

 ◆旧青島中学校〔現青島海洋大学〕
   ◎設計:三上貞
   ◎竣工:1920年7月
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チンタオ・小魚山の麓にある、青島海洋大学。この校舎は大正9年に日本人専用の中学校として建てられたものです。
設計は三上貞という日本人建築家で、第一世界大戦でドイツから日本へと主権の変わった青島に移住し、同地で活躍したといいます。
この建物の特徴としては、ドイツ租借地時代に青島に建てられた〔ユーゲントシュティル〕というドイツのモダンスタイルを継承している事でしょう。
また竣工当時、塔にはドームが取り付けられていました。

私も不勉強なもので三上の詳細は知りませんが、この建物は竣工まもなく日本建築学会の機関紙〔建築雑誌〕に紹介されています。
当時、この建築雑誌の竣工作品というのは、東京日本橋の日本銀行本店のような西欧の古典様式を継承したものが多く紹介されているのですが、このようなモダン様式の建物が同誌で取り扱われるのはとても珍しい事だったと思います。
大正9年というと、日本武道館や京都タワーの設計で名高い建築家・山田守や堀口捨巳と瀧澤真弓らの〔分離派建築会〕のメンバーが青島へ訪れ、ドイツ租借地時代に造られた建物を見学した年でもあります・・・・。この時期、国内では建築家・関根要太郎(1889~1959)など、ドイツのモダン建築様式〔ユーゲントシュティル〕を体現する人はおりましたが、三上はここ青島でドイツ租借地時代のモダン建築に劣らない名作を設計した訳です。

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                              小魚山の展望台より、現在の海洋大学を望む。
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by yotaro-hako-emura | 2007-11-03 00:20 | 中華人民共和国・青島

『関根要太郎研究室@はこだて』の番外編ページ。現在は中国・青島の歴史的建造物や町並みの紹介をおこなっております。


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